はじめに

普段なんとなく目にしている4分音符、4分の4拍子、テンポといった言葉の意味とは一体どんなものでしょうか。あまりよく分かっていないという方も少なくないと思います。一緒におさらいしていきましょう。

目次

4分音符とは何か

4分音符は全音符を4つに分けた音の長さの音符(音価)ということになっています。ところが4分の3拍子や4分の2拍子になると、この説明ではつじつまが合わなくなってしまいます。

このことから、全音符との親子関係についてはさておき、4分音符はcmやinch、¥や$などと同じ考え方で”音の長さを測る尺度のひとつ”として理解しておくと混乱が少ないかと思います。

4分の4拍子とは何か

〇分の〇拍子の意味するところは1拍の基準となる音符の種類(音価)と、何拍で1小節とするかということを楽譜の読み書きをする際のルールとして決めることです。

曲を理解していく側としては、曲を聴いてタン、タン、タン、タン、と拍子が取れた時に、これにどの音価を当てはめればその他の音符の説明がしやすいか、という基準で1拍を4分音符にするなり8分音符、またはその他の音価にするなりを決めることになるでしょうし、曲を伝える側としては頭に描いているリズムの周期を最も分かりやすく伝えるにはどの音価を中心に考えてもらえばよいか、という基準のもとにこのルールを決定していくことになろうかと思います。

上の画像のように4分の4拍子の場合は、4分音符を1拍の基準として用い、これが4つ集まって1小節とするということになります。4分の3拍子の場合は4分音符が3つで1小節です。2分の2拍子なら2分音符が2つで1小節です。上の項でも触れましたが、全音符は基準となる音符や拍数に関係なく1小節全体を表し、その時間的な音の長さはこの拍子記号と後述のテンポよって決まります。

テンポとは何か

テンポはBPM(Beat Per Minute)とも呼ばれ、1拍(Beat)の時間的な長さを具体的に定めるものです。上の項で述べましたように1拍の基準となる音価は拍子記号によって決まりますので、4分の〇拍子の場合、1拍=4分音符となり、その具体的な時間の長短はテンポ数値の大小によって変化します。

Beat Per Minuteは1分あたりのビート数(拍数)という意味で、BPM60の場合は1分間に60拍打つことになります。この時の1拍の時間の長さは時計の1秒と同じとなります。そして、このビート数が多くなればなるほど1分間という時間をそれだけの数で均等に割り振らなければならないため、1拍あたりの時間的な長さは短くなっていきます。

このことから、4分音符や2分音符、更に細かい8分音符などの時間的な長さは常に一定ではなく、拍子記号とテンポ数値によって決まるということが分かります。

また、これは言い換えるとテンポや拍子の異なる複数の曲を聴いたときに1音あたりの時間的な長さが同じでも、ある曲ではその1音が4分音符である場合もあれば、また別の曲では2分音符であったり、8分音符である場合もあるということにもなります。このことはしばしば、同じリズムでも書く人によって楽譜のテンポ指定と拍子記号が違ったり、バンドの打ち合わせ時にメンバー間でリズム感の齟齬が生じる原因となります。演奏前に楽譜があれば確認をしておき、バンドメンバーとはおおよそのテンポと1,2,3,4のカウントのしかた(拍の取り方)程度は認識を一致させてから演奏を始めると良いでしょう。

まとめ

  • 4分音符をはじめ、〇分音符とは音の相対的な長さを表すための尺度である
  • 4分の4拍子のような拍子記号を確認することで、どの音符を中心に考えればよいか、何拍で1小節となるのかを知ることができる
  • テンポによって1拍の時間的な長さが決まり、それを基に1小節、あるいはより細分化された音符の時間的な長さを導くことができる。

当たり前すぎて普段気にしないような事柄ですが、改めて意味を確認すると楽譜が読みやすくなったり、楽曲とのイメージを一致させやすくなったり、共演者や音源のリズムを把握しやすくなったりといった効果が得られるかもしれません。

この記事が何か参考になりましたら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。