ジャンルを問わずドラムセットの主なリズムパターンはハイハットやライドシンバルによる一定のリズムにバスドラムとスネアのコンビネーションが組み合わさって成り立っています。特にロックビートにおいてはスネアが2、4拍に固定されていることが多く、バスドラムの配置によってリズムの印象が変わるといっても過言ではありません。したがってバスドラムを好きなタイミングで演奏できればリズムの引き出しを一気に増やすことができるのです。この記事ではバスドラムを自由な位置で演奏できるようにするためのアイデアをご紹介していきます。

ポピュラーミュージックのドラムパターンは共通項が多い

先にも述べましたがロック、ポップスなどのドラムパターンは8分音符または4分音符のハイハット(もしくはライドシンバル)、2拍4拍のスネアドラム、そしてバスドラムによって構成されているケースが非常に多いです。

アクセントの箇所でオープンやクラッシュシンバルに置き換わる場合もありますが、基本的にはハイハットとスネアは決まったパターンの繰り返しで、バスドラムの位置を変えていくことでリズムのニュアンスを様々に変化させています。

バスドラムを自由な位置で鳴らすことができれば対応力が上がる

前述の内容は言い換えれば、バスドラムを自由な位置で鳴らすことができれば多くのポピュラーミュージックのドラムパターンへの応用が効くということです。

経験豊富で上手なドラマーはすぐに引き出せるパターンを膨大に持っているため、曲を聴いてすぐに対応することができます。

そんなドラマーにあなたも一歩近づくことができますよ。

まずはこれだけ 2拍に1打

今回扱うのは一つ打ちのみでほぼクリアできる内容です。

拍子は2/4拍子、1小節に8分音符が4つ入ります。

この1番目から4番目までの各タイミングでバスドラムを発音するパターンをそれぞれA〜Dとして、ハイハットとスネアの固定パターンの上で行っていきます。

裏打ちは慣れるまで根気強く練習しましょう

私自身もそうでしたが、8分音符の裏をつくBやDのパターンはタイミングが取りずらく、最初のうちは体が反応しなかったり、適切なタイミングでで鳴らせていなかったりなど随分苦労した記憶があります。

しかしこれは誰でも通る道であり、また、多くの方がこれをクリアして次のステップに進んでいますのでご安心ください。地道にコツコツ積み重ねれば次第に感覚がつかめていくはずです。

うまくいかない時は口を使ってみる

何度やってもうまくいかない、そんな時は一旦足はお休みして口で歌うことから始めましょう。

右手左手のパターンをキープしながら、「ンド」「ウン、ンド」と口ずさみます。これでタイミングを覚えたら声に合わせてバスドラムを発音できるように練習しましょう。そのうち口でガイドしなくても適切な位置で発音できるようになるはずです。

4/4拍子に当てはめる

A〜Dの各パターンができるようになったら、4/4拍子に当てはめて練習をしていきます。

まずは同じパターンを1小節に2度繰り返すといったものです。

慣れないうちは1小節ごとに休みを入れて、慣れてきたら連続で演奏してみましょう。

パターンをミックスする

同じパターンの繰り返しがクリアできたら、前半2拍、後半2拍とそれぞれ別なパターンでバスドラムを入れてみましょう。全て書き出してもいいですし、面倒だと思えば紙切れにA〜Dと書いて裏返し、2枚引いて1枚目のパターンを前半に、2枚目のパターンを後半に、というように出てきたパターンをすぐにできるかどうかを試してみても面白いかもしれません。

ハイハットの数を4分音符に減らす

8分音符のハイハットと2拍4拍スネアの固定パターンである程度自由にバスドラムを入れられるようになったら、ハイハットを半分の4分音符にして同じようにバスドラムを入れられるかどうか試してみましょう。

B、Dのパターンは特にタイミングが取りづらく感じるかもしれません。

これは今までハイハットと合致していたバスドラムのタイミングが、ハイハットの音が減ることによって独立したタイミングになってしまったためです。こういったパターンも非常に多く出てきますので、ぜひこちらもマスターしておきましょう。

前にも述べましたが、分からなくなったら口で歌うことから始め、それからバスドラムを発音します。次第にハイハットの隙間にバスドラムをはめ込んでいく感覚が身についていくことと思います。

おわりに

ハイハットとスネア、そしてバスドラムのコンビネーションはリズムパターンを表現する上で非常に大きなウエイトを占めます。是非感覚を掴んで色んな曲の演奏に役立ててください。

今回はほぼバスドラムの一つ打ちで処理できるものでしたが、2つ打ち、3つ打ちが必要なものも曲の中で使われていることが少なくありません。

次回はこれらを使えるようになるための練習法について書きたいと思いますので、どうぞお楽しみに。